はるかなる世界

綾瀬はるかファンが、好きなことについてのんびり語るブログです。

ドラマ「世界の中心で愛をさけぶ」について その3

ドラマ「世界の中心で愛を叫ぶ」の魅力の3つ目は、森下佳子さんの脚本です。

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片山恭一氏の原作もそれなりに良いのですが、森下さんの凄いところは、原作の行間を読む?いやそんなレベルではなく話に必然性を持たせたり厚みを幾重にも持たせることができる脚本家であるというところであると私は思っています。

亜紀の「好きなものランキング」には、胸を撃ち抜かれました。原作にはなかったシーンです。そして朔太郎の「嫌いなものランキング」が来たときには、「うまい!」というより「参りました。m(_ _)m」とさえ思いました。

このように森下さんは、伏線やオマージュを効果的に散りばめながら、原作を補完、補強、時には超越し、視聴者に感動を与えます。ドラマでここまで作り込まれていると感じたのは、このドラマが初めてで思わず脚本家を検索したことを覚えています。

このあと「白夜行」「JIN−仁-」「とんび」「義母と娘のブルース」など私の琴線に触れる作品を次々に世に送り出してくれています。特に「白夜行」は、すごいとしか言いようがありません。ドラマとしては内容が内容なのですごく好きというわけではありませんが、東野圭吾の原作では書かれていない亮司と雪穂の行動(あえて書かずに読者に想像させるところがこの小説の肝)を徹底的にドラマで見せるというスゴ技を見せているのです。いわば原作小説があえて書いてない裏側をドラマで表に描き出しています。

今までドラマを見て原作との比較をしたことはありますが、脚本家の存在を意識したのはこのドラマからです。ドラマ「世界の中心で愛をさけぶ」の魅力の多くは、脚本家「森下佳子」によって創られたと言っても過言ではないと思っています。